追分温泉―雰囲気満点の峠の一軒宿2010/09/05

 宮城県石巻市の旧北上町にある追分温泉に暫くぶりで行きました。雰囲気が満点で結構気に入って何度も来ていたし、2度ほど泊まったこともある。部屋で食事ができる点も気に入っていました。

追分温泉玄関

 何年か前に温泉の偽装が問題になり、県が一斉に温泉の検査をしたことがありました。そのときの調査で、追分温泉が近くの炭鉱跡地の湧き水を沸かしていることを知りがっかりしたことがありました。
  しかし、その後も何度か出かけています。そのたびに満足しているので、温泉は必ずしもお湯だけではないということの証明なのでしょう。




 近くに温泉がないため、客は途切れることがなく来ているようです。利府から来たという年配の男性は、「情緒があり一度は来てみたかった。泊まりも楽しみだ」と語っていました。
 受付がぶっきらぼうで難点です。年配の経営者の家族化と思われる女性が受付でお菓子を食べていたのは問題外でしょう。

追分温泉の風呂

 近くに釣石神社があり、崖からか突き出ている御神体の石が地震でも落ちないので、受験にご利益があるということで受験生の絵馬がたくさんあります。突き出た石の下にも大石があり、夫婦円満のご利益もあるらしい。

釣石神社

 湖月亭で昼食を摂るのもいいでしょう。ここも雰囲気も料理も大変いいです。

湖月亭

海泉閣―南三陸のコバルトブルーの海を一望する宿2010/09/12

 東北電力女川原発の見学会を取材で牡鹿半島にある海泉閣に宿泊しました。太平洋を眼下に見下ろすことのできる純和風の宿です。
 風呂は温泉ではなく漢方薬湯です。

海泉閣本館

 学習会の講師として来た日本共産党の吉井英勝衆院議員も前泊して参加しました。
 参院選挙後に県民運動が多彩に展開され、前日に2つを取材しており、その記事を書かなければならず、ゆっくり周辺を散歩などする余裕のない状態でした。

長寿の泉

 翌朝も早起きはしても、記事を書かなければならず、しかも校正をするために携帯プリンターで印刷をしようとしたら調子が悪く、ますますゆとりがなくなってしまった。

海泉閣の風呂

 明るい所では風呂からの眺望も素晴らしいものであったろうと思うと残念で仕方がない。今後多分もう宿泊する機会などないだろうと思うとなおさらです。

庭からの展望

 フロントの壁に飾ってあった鹿の剥製は、角が左右対称で素晴らしい出来で感心しました。

明日の湯―田園地帯の小さな源泉かけ流しの温泉2010/09/15

 宿直明けでさらに夜に会議が入っているので、休憩するために仙台市泉区根白石にある明日の湯に入りました。
 根白石の旧道の看板のある所から入っていたのですが、国道457号線から入る方がわかり易いです。
 仙台市泉区の北中山から北上し、根白石消防署と仙台リサイクルセンターを過ぎると間もなく東側に水道管を支える陸橋が見えてきます。その隣に赤い遊具と黄色い建物の根白石幼稚園が田んぼの中に見えてきます。その隣にこじんまりとある黄色い建物です。
 1997年にオープンしました。

明日の湯

 入浴料は500円。隣に休憩室があり、利用するには300円が別に必要です。
 源泉かけ流しのようです。バスで通ってきたという地元の年配の人が、湯口のお湯を手ですくって飲んでいました。建物の隣にポンプ室があるようで、汲みあげているのではないかと思います。

明日の湯の風呂

 泉質ナトリウム・塩化物泉。温度は分析時に43℃としているが、実際は若干低めの様です。最初に来たときは、大勢で入っていたのでぬるすぎると感じました。今回は少なかったので快適であった。ゆったりと浸かっていると、泡がついてきます。
 石鹸入れを忘れたので電話したら、「あすの湯です」との返答があった。あしたの湯かと思っていたのですが。

明日の湯碑
明日の湯近くの石碑群

 新しい温泉なので神社はありませんが、近くに石碑をまとめて祀っていました。そのなかに温泉碑がありました。

秋保温泉佐勘―伝承千年の湯元宿2010/09/16

 仙台市太白区にある秋保温泉佐勘に入りました。駐車場は少し離れたところにあり、ワゴン車が送迎します。

佐勘

 伝承千年といっていますけれど、歴史は1500年になります。六世紀の欽明天皇が、献上されたお湯で天然痘が治癒したため、「覚束な雲の上まで見てしかな 鳥のみ行けば跡形もなし」と詠み、御湯の称号を与えたという。この称号をもらっているのは、長野県の別所野沢秋保の三つです。
 
佐勘の入り口

 佐藤勘三郎
が代々湯守を務めてきました。伊達藩の御殿湯となっていました。館内に秋保温泉の歴史を物語る展示室がありました。
 江戸の文化文政ごろに4軒の宿の建設が許可されたらしい。仙台と秋保間に馬車軌道(後に鉄道)が開通したことにより、押し寄せる客が増大して温泉街として発展しました。

河原の湯

 脱衣所に循環し、塩素を投入している断り書きがありました。個室をとらない日帰り入浴をするには、2000円と2500円のコースがあり、2000円コースは840円の食事券となります。2500円コースは定食つきです。

露天風呂

 流石に歴史のある秋保温泉の元湯であるだけに、施設も堂々とした歴史の重みがありました。箸置きにも名前入りのものを使っていました。池や竹を使った日本庭園も心を落ち着かせます。
 小野喬竹の作品展示もしていました。

秋保温泉神社

 豪華な旅館が多数建っているので、源泉の管理がどうなっているのかと心配になります。これだけ大きい温泉街で、外湯(共同浴場)が一つしかないことが心配の根拠です。

秋保温泉湯神社の碑

 敷地内に湯神社があり、祠の脇に秋保温泉の由来碑がありました。さらに、敷地内には稲荷神社もありました。

台ヶ森温泉山野川旅館―まほろばの里に300年の歴史のある温泉2010/09/18

 宮城県大和町にある台ヶ森温泉山野川旅館に行ってきました。暫くぶりの3回目の入浴です。南川温泉に入るつもりだったのですが、止めていました。

山野川旅館

 温泉は、加水なしで19℃の源泉を加温しています。消毒・循環ありでした。硫黄を含むナトリウム-カルシウム-塩化物泉です。無色透明のお湯で、湯船は硫黄を含むために少し濁っています。pHは8.2のアルカリ性です。
 内湯だけで、露天風呂の雰囲気を出していました。温度は少し熱めでした。
 ガラス張りで白を基調にしたインテリアは清潔感があり、庭園を眺めるベランダもありました。

山野川旅館の風呂

 旅館は1934年から営業しています。温泉の発見は1670年代で、伊達家の家臣である吉岡藩の湯治場として使われてきました。実に300年の歴史を誇る温泉です。
 
山野川旅館の文学碑庭園

 先代が歌の会を主宰していたために、敷地内に歌碑が散在していました。1995年に改築にするとき、一箇所にまとめて庭園としました。
 旅館のパンフレットでは、石川啄木朝の陽の 湯槽のふちにうなじ載せ ゆるく息する物思ひかなの碑があるようですが、見つないでしまいました。

原阿佐緒歌碑(南川ダム)

 近くの南川ダム湖畔には原阿佐緒の第三歌碑夕霧にわが髪ぬれ月見草 にはにひらくを立ち見つるかもがあります。