湯の原温泉霊泉亭―発見されて千年を経て湯治宿として200年の伝統がある2010/10/16

 宮城県松島町にある湯の原温泉霊泉亭に入りました。慈覚大師が発見したといわれており、小野小町伝説もあります。瑞厳寺の修行僧らが湯治湯として使用していたらしい。瑞厳寺113世の住職が皮膚病に疾患したとき、この湯に浸かって全快しました。
 当旅館の裏手の丘に源泉の湧水があり、そこにこの事実を記した碑があると女将さんが言っていました。寺から湯守を仰せつかった先祖が3代目あたりから片桐姓を受けています。以後200年を経ています。

霊泉亭の外観

 旅館の中央に受け付けがあり、入浴料の400円を支払い浴場に向かいました。浴場の入り口にはロッカーがありました。戸を開けると塩素の匂いがしました。分析票によると塩素消毒をしているとありました。鉱泉の温度は14.5℃なので加温しています。湯口の温度は46℃あり、その下には吸入口がありました。お湯の温度は43℃でした。主な含有物は、ナトリウム・カルシウム・炭酸・硫酸でした。

霊泉亭の風呂

 湯治宿として50室ほどありますが、現在は一桁の利用者になっているらしい。寝具持ち込みで2500円。朝食つき一泊で4500円。個室使用の日帰りは1700円です。
 湯治客用の食料を行商に今も来ているそうです。

西行戻りの松の説明

 すぐ近くには、歌人の西行が己の未熟さを悟って霊場松島を去ったという伝説のある西行戻りの松があります。

西行戻りの松

 公園として整備されており、喫茶店もあります。松島湾の展望も素晴らしい。

西行戻りの松からの展望